『QUANTUM GATE I 〜悪魔の序章〜』(クアンダムゲート)は、1990年代にPC、セガサターン、PlayStation向けに展開された、実写映像と選択肢による物語体験を融合させたSFアドベンチャーゲームです。

本作は1993年にHyperbole StudiosがPC向けに開発したインタラクティブムービー『Quantum Gate』を原作とし、1995年にはセガサターン版がギャガ・コミュニケーションズより、1997年にはPlayStation版がスターフィッシュより発売されました。ジャンルは「バーチャルシネマ」とされ、プレイヤーは主人公ドリュー・グリフィンとして、地球環境の修復を目的に異星へ派遣される兵士となり、政府の陰謀や未知の生命体との接触を巡る物語を体験します。

ゲームの舞台は2057年、帝国主義化した国際連合が支配するディストピア世界。地球環境の崩壊を食い止めるため、転移装置「Quantum Gate」によって発見された惑星AJ3905へと主人公が送り込まれます。任務の裏には隠された真実があり、プレイヤーは映像メールやニュース、選択肢を通じて徐々に陰謀の全貌に迫っていきます。ブルースクリーン合成による実写映像が多用され、映画的な演出とゲーム性が融合した構成が特徴です。

セガサターン版とPlayStation版は、いずれもPC版をベースにした移植作品であり、映像の質や操作感に若干の違いはあるものの、物語や演出は共通しています。続編『VIRUS: The Game』は海外で発売されましたが、日本国内では未発売のため、本作は「つづく」という形で物語が未完のまま終了します。シリーズ作品ではなく、各ハード向けに個別展開された単独タイトルとして位置づけられています。

『Quantum Gate』は1993年にHyperbole StudiosがPC向けに開発したインタラクティブムービーで、実写映像と選択肢による物語進行を特徴としたSFアドベンチャー作品です。環境破壊が進む未来の地球を舞台に、異星への転移任務を通じて政府の陰謀に迫るストーリーが展開され、当時のマルチメディア技術を活用した先駆的な作品として評価されました。