『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ&雪圏球〜』は、ゲームブランド「Key」が手掛けたSFビジュアルノベルで、2024年6月27日にNintendo Switch向けに発売されたパッケージ版です。この作品は、2004年にPC向けにリリースされた『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』と、その前日譚である『雪圏球(スノーグローブ)』を1本にまとめたものです。

物語は、近未来の荒廃した世界を舞台に展開します。『ちいさなほしのゆめ』では、世界大戦後の「封印都市」と呼ばれる危険な廃墟で、屑屋(くずや)と呼ばれる主人公が、取り残されたプラネタリウムのコンパニオンロボット「ほしのゆめみ」と出会い、交流を通じて希望や人間性を見出していく感動的なストーリーが描かれます。一方、『雪圏球』は世界崩壊前の平和な時代を舞台に、ゆめみが花菱デパートのプラネタリウムで働く日々と、彼女を取り巻く人々との温かな日常や「ある約束」を描いた前日譚です。この二つの物語が組み合わさることで、ゆめみの背景や感情がより深く掘り下げられ、プレイヤーに強い余韻を残します。

ゲームはキネティックノベル形式で、選択肢がなく、物語を読み進めることに特化しています。涼元悠一氏のシナリオ、駒都えーじ氏の原画、戸越まごめ氏の音楽による美しい世界観が特徴で、特にエンディングテーマ「星めぐり」が感動を盛り上げます。『雪圏球』ではバイノーラル音楽にも対応し、臨場感のある音響体験が追加されています。