『LUNARiA -Virtualized Moonchild-(ルナリア バーチャライズド ムーンチャイルド)』は、『CLANNAD』や『AIR』などで知られるビジュアルアーツのゲームブランド「Key」が手掛けたSF恋愛アドベンチャーゲームです。PC版の発売を経て、2024年2月22日にプロトタイプからNintendo Switchで発売されました。
本作は、選択肢による分岐を排除し、映像作品のように物語へ没入させる「キネティックノベル」という形式を採用しています。舞台は西暦2055年、VR(仮想現実)技術が高度に発達した世界です。主人公は、VR対戦アクションレースゲーム「Skyout(スカイアウト)」で無敗を誇る天才高校生ゲーマー「T-BIT」こと天宮椎名です。彼はある日、月面サーバーに一人取り残されたAIの少女「ルナ(LUNAR-Q)」と出会います。
プレイヤーは、地球にいる主人公と、38万4400km離れた月にいるヒロインが、VR空間を通じて心を通わせていく「究極の遠距離恋愛」を見守ります。シナリオはライトノベル作家の松山剛氏が担当しており、しっかりとしたSF考証に基づいた世界観と、Key作品らしい「切なさ」や「感動」が融合しています。ゲーム的な操作は読み進めることだけですが、ふむゆん氏・佐伯ソラ氏による透明感あふれるイラストと、場面を盛り上げる美しい音楽が、プレイヤーを優しく、そして少し寂しい月の世界へと誘います。
評価については、短編映画一本分のような程よいボリュームで、密度の濃い感動体験ができる点が評価されています。選択肢がないため「ゲーム性」は皆無ですが、その分ストーリーのテンポが良く、途切れることなく物語の結末まで駆け抜けることができます。AIと人間の恋、そして「魂」の在り方を問うテーマは現代的であり、デジタルな世界に生きる私たちに深く刺さる内容です。
本作のヒロイン・ルナがいる「月」は、夜空を見上げればそこにありながら、決して手は届かない神秘的な存在です。ゲームを通じて月の美しさと寂しさに触れた後は、部屋の中に小さな月を灯し、静かな夜の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。













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