『大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭』は、ファミコン時代の名作アドベンチャーゲームを彷彿とさせるレトロなスタイルで描かれた旅情ミステリーシリーズの第3弾。2022年07月07日にフライハイワークスからNintendo Switch版、後にPS4やPC(Steam)でも発売されました。物語の舞台は、日本有数の温泉地である大分県別府市。プレイヤーは警視庁の刑事となり、相棒の後輩刑事「開明寺ケン」と共に、伝統工芸の竹細工と最新デジタルアートを融合させた大型イベント「テクミックス」の警備任務にあたります。しかし、華やかなイベントの裏側ではSNSでの誹謗中傷や犯行予告が相次ぎ、やがて不可解な殺人事件へと発展していきます。
ゲームプレイは、「きけ」「しらべろ」「ばしょいどう」といったコマンドを選択して捜査を進める、昔ながらのコマンド選択式アドベンチャーを採用しています。レトロなドット絵で描かれた別府の街並みを巡り、聞き込みや証拠収集を行って事件の真相に迫ります。システム自体は懐かしいものですが、操作性は現代風に最適化されており、ストレスなく物語に没頭できます。また、作中にはスマートフォンやドローンといった現代的なガジェットも登場し、古き良き探偵物語のフォーマットと現代のテクノロジーが融合した独自の捜査感覚を楽しめます。
本作の最大の特徴は、キャラクターデザインに『べーしっ君』などで知られる漫画家・荒井清和氏を起用している点です。氏の描く表情豊かなキャラクターたちが、シリアスな事件の中に温かみとユーモアを添えています。実在の観光名所や温泉旅館が多数登場し、捜査の合間に温泉に浸かったり、ご当地グルメを堪能したりといった「旅情」要素も充実しています。さらに、特定の条件を満たすことで遊べるミニゲームなどのおまけ要素も収録されており、ミステリーファンだけでなく、レトロゲームファンも満足させる作り込みがなされています。
開発元のハッピーミールは、本シリーズを通じて「ファミコン風アドベンチャー」の復権に尽力しています。荒井清和氏のキャラクターは、往年のゲームファンにとって特別なノスタルジーを感じさせる存在です。本作の舞台となった別府の魅力をより深く知りたい方や、日本のミステリーの原風景に触れたい方は、松本清張などの旅情ミステリー小説や、別府の観光ガイドブックを手に取ることで、ゲーム内の風景をより鮮明にイメージすることができます。













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