『スペードの国のアリス ~Wonderful White World~』、2021年9月30日にアイディアファクトリー(オトメイト)から発売されたNintendo Switch対応の銃弾飛び交う恋愛アドベンチャーゲーム。
伝説的な人気を博した『ハートの国のアリス』シリーズの系譜を受け継ぎ、新たなブランド「QuinRose reborn(クインロゼリボーン)」によって再始動した、狂気と愛が交錯する2部作の第1部となる作品です。

物語の舞台は、白の領土、黒の領土、帽子屋屋敷、駅という4つの勢力が拮抗する「スペードの国」。主人公のアリス=リデルは、湖で溺れているところを助けられますが、それまでの記憶を全て失っていました。銃撃戦が日常茶飯事という危険な世界で、彼女は記憶喪失の違和感を抱えながらも、一癖も二癖もある住人たちとの奇妙な共同生活を送り始めます。

本作『Wonderful White World』では、マフィア組織である「帽子屋屋敷」や、狂信的な教団が支配する「白の領土」のキャラクターたちを中心とした物語が描かれます。攻略対象には、シリーズの顔である帽子屋ブラッド=デュプレや、新キャラクターである白の騎士ルイス=キャロルなどが名を連ね、彼らとの関係を通じてアリスの失われた過去の断片が明らかになっていきます。

かつての友人か、それとも初めて出会う他人か。曖昧な関係性の中で紡がれる恋は、メルヘンでありながら殺伐としたシニカルな世界観と相まって、プレイヤーに甘く鋭い痛みのような切なさを残します。

本作は、かつてQuinRose(クインロゼ)から発売され、乙女ゲーム界に「銃弾飛び交う不思議の国」という衝撃を与えた『ハートの国のアリス』シリーズの実質的な続編であり、新シリーズの第1部です。原作シリーズは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をモチーフにしつつも、住人全員が銃を持ち歩くマフィアや軍人であるというブラックな設定でカルト的な人気を誇りました。本作はその世界観やキャラクター設定を継承しつつ、キャストやビジュアルを一新して再構築されています。

原作:ハートの国のアリス