『ブレア・ウィッチ 日本語版』は、2020年7月9日にNAパブリッシングより発売されたPlayStation 4およびNintendo Switch用サバイバルホラーゲームであり、伝説的なホラー映画の世界観をベースにした心理的恐怖体験作品です。プレイヤーは心の傷を負った元警官のエリスとなり、1996年のメリーランド州バーキッツビル近郊にある「ブラック・ヒルズの森」へ入り、消息を絶った少年の捜索を開始します。
本作の最大の特徴は、忠実な相棒である愛犬「バレット」と共に行動する点です。バレットに指示を出して匂いを追跡させたり、吠えることで見えない怪異の存在を知らせてもらったりと、犬との連携が生存の鍵を握ります。バレットを撫でたりおやつを与えたりして絆を深める行為は、森の呪いによって蝕まれる主人公の精神を安定させる役割も果たします。
映画版でも象徴的だった「ビデオカメラ」を用いた独自の謎解き要素が導入されています。森で発見した不可解なテープを再生し、映像内の時間を巻き戻したり一時停止したりすることで、現実世界の環境にも物理的な変化が生じ、倒木を動かして道を開くといったパズル的な攻略が可能となります。
開発はホラーゲームに定評のあるBloober Teamが担当しており、プレイヤーの行動や精神状態によって物語の結末が変化するマルチエンディングが採用されています。森に潜む魔女の伝説と、主人公自身を苦しめる過去のトラウマが交錯し、終わりのない悪夢のような狂気が体験されます。
本作は、1999年に公開され「POV(主観映像)」ホラーのブームを巻き起こした映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を原作としています。映画と同じ「ブラック・ヒルズの森」を舞台にしつつ、映画の出来事から2年後という設定で新たなオリジナルストーリーを描き、映画特有の閉塞感や超常的な恐怖をゲーム体験として再構成したタイトルです。













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