『千里の棋譜 〜現代将棋ミステリー〜』は、実在の将棋界を舞台に盤上の真理と伝説の棋譜を巡る謎を追う推理アドベンチャー。2020年2月27日にケムコからPlayStation 4、Nintendo Switch、PCで発売され、2020年8月5日にはiOSおよびAndroid向けにスマートフォン版も配信。
物語は、将棋界の頂点に君臨する名人に挑戦する権利を得た棋士が失踪し、その裏に隠された「千里の棋譜」という謎の言葉を追うところから始まります。プレイヤーは、将棋の知識が豊富なフリー記者や刑事といったキャラクターの視点を通じて、将棋界に潜む深い闇と、盤上に人生を懸ける棋士たちの熱き人間ドラマを体験します。
本作の最大の特徴は、フィクションでありながら実在のプロ棋士が実名で登場する点です。高橋道雄九段が特別出演しているほか、香川愛生女流四段が企画協力・出演を務め、対局シーンの描写や棋士の心理状態が非常にリアルに描かれています。将棋を知らないプレイヤーでも物語を楽しめるよう、作中では将棋の基本ルールや用語解説が丁寧に行われ、物語の要所では「次の一手」を解くようなクイズ形式の演出も取り入れられています。
シナリオは、フリーゲーム時代から高い評価を得ていたChild-Dreamの宮下英尚氏が担当しており、コンシューマー版への移植にあたってグラフィックの一新とシナリオの大幅な加筆が行われました。音楽は『逆転裁判』シリーズなどで知られる岩垂徳行氏が手掛けており、静寂の中で火花を散らす対局の緊迫感をドラマチックな旋律で盛り上げます。
全編を通して、将棋の技術的な解説よりも「なぜ人は指し続けるのか」という哲学的な問いや、棋士たちの葛藤に重きが置かれています。現代のAI将棋と人間との対比といった最新のトピックも取り入れられており、将棋ファンのみならず、重厚なミステリー作品を求めるアドベンチャーゲームファンにとっても満足度の高い構成となっています。
『千里の棋譜 〜現代将棋ミステリー〜』は、将棋界を代表する棋士たちの監修や協力を受けて制作されました。その筆頭である高橋道雄九段は、数多くのタイトル獲得歴を持つ実力者であり、本作では単なる出演に留まらず、将棋指導や演出の面でも作品の質を支える重要な役割を担っています。













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