『WORK×WORK』は、2018年にNintendo Switch向けに、2019年にはPlayStation 4向けにも発売されたRPGで、フリューと熱中日和が手がけたユニークな作品です。舞台は孤島に建てられたテーマパーク「勇者さまーランド」。プレイヤーはアルバイト従業員として、王子や妖精など個性豊かな来場者を案内しながら、ランドに隠された謎を解き明かしていきます。発売後は、打首獄門同好会による主題歌「はたらきたくない」が話題となり、コミカルな世界観と相まって独自の存在感を放ちました。

ゲームの中心となる「ツアー」では、ダンジョン風のアトラクションを舞台に、ツアー客たちが戦士や魔道師に扮して敵役の従業員と戦います。戦闘は基本的に自動で進行しますが、プレイヤーは「インストラクター」として介入し、個別指導やアイテム使用、作戦変更などでツアー客をサポートします。すごろく形式のマップやチャットスキルの発動など、細部に遊び心が散りばめられており、戦略と演出が融合した独自のバトルが展開されます。

物語は、王位継承から脱落した第18王子「エルリック」と、無口な主人公「ポチ夫」の奇妙な関係を軸に進行します。魔王討伐を目指す王子の使命と、借金返済のために働く主人公の労働が交錯し、笑いと皮肉に満ちた展開が続きます。ツアー客との「なかよし度」が上がることで新たなスキルや特別なツアーが解禁され、物語の裏側に触れることも可能です。ドット絵キャラクターはラバーストラップのように動き、会話や演出に独特の味わいを加えています。

Switch版は軽快な操作性と携帯性が魅力で、PS4版では高解像度のグラフィックと安定した動作が加わり、より快適なプレイ環境が整えられています。どちらの機種でも、かわいらしいキャラクターと笑えるテキストが際立ち、RPGの枠を超えた“テーマパーク体験”として記憶に残る一本となっています。