名称 | おじいちゃんの記憶を巡る旅 |
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ジャンル | パズルゲーム |
発売元 | Broken Rules Interactive Media |
発売日(配信日) | 2018年06月07日 |
機種 | PlayStation4(PS4) |
年齢区分 |
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『おじいちゃんの記憶を巡る旅』。それは、まるで動く絵本のような、心に染み入る体験だ。手紙を受け取った老爺が、差出人を求めて旅に出る。しかし、その道程は単なる移動ではない。風景、出会い、そして回想… それらは封印されていた家族との記憶を呼び覚まし、プレイヤーの胸に温かい郷愁と、ほのかな後悔の念を刻み込む。
言葉は要らない。老爺の表情、仕草、そして鮮やかに描かれる回想シーンが、物語を雄弁に語る。操作はシンプル。指先で地形を隆起させ、沈降させ、老爺の進むべき道を作る。しかし、その行為は単なるパズルではない。それは、過去と現在を繋ぎ、記憶の断片を繋ぎ合わせる、心の旅路そのものなのだ。
これはゲームなのか? それとも、インタラクティブな絵物語なのか? ぜひ、あなたの目で、あなたの心で確かめてほしい。
本作の最大の特徴は、何と言ってもその地形操作システムだろう。画面をタップして老爺を移動させるだけでなく、指で地形そのものを変形させ、道を作る必要があるのだ。しかし、それは単なるパズル的要素に留まらない。
このシステムは、プレイヤーに「世界を創造する」感覚を与える。老爺の旅路は、プレイヤー自身の創造性によって切り開かれるのだ。地形を操作するたびに、新たな発見があり、物語は深みを増していく。一見シンプルに見える操作の中に、奥深いゲーム性が隠されているのだ。
物語は、老爺が手紙を受け取る場面から始まる。差出人は誰なのか? なぜ、老爺は旅に出るのか? 多くは語られない。しかし、旅の途中で目にする光景、出会う人々、そして挿入される回想シーンが、徐々に物語の輪郭を浮かび上がらせていく。
家族との温かい記憶、若かりし頃の冒険、そして、やり残したことへの後悔… それらは、まるでパズルのピースのように散りばめられ、プレイヤーはそれらを繋ぎ合わせることで、老爺の人生を追体験する。
台詞や説明文に頼らない、映像と音楽による叙情的な表現は、プレイヤーの想像力を刺激し、物語への没入感を高める。プレイ後には、まるで一本の良質な映画を観終えたかのような、深い感動と余韻が残るだろう。
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