名称 | レイジングループ |
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ジャンル | アドベンチャーゲーム |
発売元 | ケムコ |
発売日(配信日) | 2018年01月25日 |
機種 | PlayStation4(PS4) |
年齢区分 |
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閉鎖された村を舞台に、人狼ゲームをモチーフにしたアドベンチャー。一見するとありがちな設定だが、本作は時間遡行の要素を巧みに取り入れ、単なる騙し合いに留まらない、深淵な物語を紡ぎ出すことに成功している。プレイヤーは主人公の視点を通して、繰り返される惨劇からの脱出を目指すことになる。あなたは、この狂気のループから抜け出せるだろうか?
特徴的なのは、その物語構成。幾度となく繰り返される死と再生の中で、主人公は徐々に事件の真相に近づいていく。選択肢によって物語が分岐し、新たな視点や情報が得られるため、プレイヤーはまるでパズルのピースを埋めていくかのような感覚でゲームを進めることができる。先が読めない展開と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマは、プレイヤーを最後まで飽きさせない。
主人公・房石陽明は、バイク旅行中に迷い込んだ村で、恐ろしい儀式「黄泉忌みの宴」に巻き込まれてしまう。村に伝わる伝承と、繰り返される殺人事件。閉鎖的な空間で繰り広げられる狂気は、プレイヤーの心を締め付ける。しかし、絶望だけではない。物語が進むにつれて、それぞれのキャラクターが抱える過去や葛藤が明らかになり、複雑に絡み合った人間関係が浮かび上がってくる。あなたは、誰を信じる?
物語の舞台となる寒村「休水」の描写も秀逸。外界から隔絶された独特の雰囲気は、プレイヤーを否応なく物語に引き込む。村に根付く土着信仰や、古くから続く因習が、事件の背景に深く関わってくる。単なるミステリーとしてだけでなく、日本のrural horrorとしての魅力も兼ね備えていると言えるだろう。
本作の核となるのは、主人公が死ぬたびに時間が巻き戻るというループ構造。一見、単調に思えるかもしれないが、このシステムが物語に深みと戦略性をもたらしている。繰り返しの過程で得た知識や情報を元に、新たな選択肢を選ぶことで、異なる展開へと進むことができる。まるで攻略本なしで挑む、巨大な迷路のようだ。
さらに、「情報ツリー」と呼ばれるシステムも特徴的。これは、物語の進行状況や登場人物の情報を整理するためのもので、プレイヤーはいつでも物語の全体像を把握することができる。複雑な人間関係や事件の経緯を理解する上で、非常に有効なツールと言えるだろう。このシステムのおかげで、プレイヤーは迷うことなく物語の核心に迫ることができるのだ。
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