『ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-』は、2016年11月10日にIMGN.PROよりPlayStation 4版が配信され、後にNintendo Switch版も発売された探索型ホラーアドベンチャーゲームであり、1959年に旧ソ連で実際に起きた未解決怪死事件「ディアトロフ峠事件」をモチーフにした作品です。プレイヤーは事件から数年後に現地を訪れた調査員となり、極寒のウラル山脈を単独で探索しながら、9人の登山家たちがなぜ不可解な死を遂げたのか、その真実に迫る恐怖の旅へと足を踏み入れます。
本作の探索システムは、広大なオープンワールドの雪山を、地図とコンパスだけを頼りに進むハードコアな仕様が採用されています。現在のプレイヤー位置を示すマーカーなどは一切表示されないため、周囲の地形やランドマークと地図を見比べながら自力でルートを割り出す必要があり、吹雪によるホワイトアウトや夜間の暗闇の中で迷う恐怖がリアルに表現されています。
フィールド上には攻撃手段の通じない謎の「影」のような怪異が徘徊しており、遭遇した場合は全力で逃げるか、隠れてやり過ごすしかありません。各地に散らばる登山隊の日記や不可解な文書を回収することで物語の断片が明らかになり、現実の事件と超自然的なホラー要素が交錯する独自の解釈によるストーリーが展開されます。
ナレーションには、映画『ロード・オブ・ザ・リング』などで知られる名優ショーン・ビーン氏が起用されており、その重厚な語り口が孤独で不気味な雪山の雰囲気を一層際立たせています。美しくも残酷な冬の景色の中で、寒さと孤独、そして正体不明の存在への恐怖に震えながら、歴史に残る謎の真相を探る探索体験が提供されています。
本作は、1959年2月にソビエト連邦(現ロシア)のウラル山脈北部で発生した実際の遭難怪死事件「ディアトロフ峠事件」を題材(原作)としています。9人の登山グループがテントを内側から切り裂いて裸足で逃げ出し、遺体から放射能が検出されるなど多くの謎を残したこの事件に対し、独自のホラー的解釈を加えて再構成したフィクションとして展開されています。












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