『THUMPER リズム・バイオレンスゲーム』は、2016年10月13日にDroolよりPlayStation 4版が、2017年5月18日にNintendo Switch版が配信されたリズムアクションゲームであり、従来の音ゲーとは一線を画す「リズム・バイオレンス」という独自ジャンルを掲げた衝撃的な作品です。プレイヤーはメタリックな輝きを放つ「スペースビートル(宇宙甲虫)」となり、無限に続くレールの上を猛スピードで疾走しながら、未来から迫りくる巨大な頭蓋骨「CRAKHED」を破壊するために戦います。

本作の操作は、ワンボタンとスティック入力のみという極めてシンプルな設計がなされています。しかし、そのプレイ感覚は過酷かつ攻撃的であり、疾走感あふれるコース上でカーブを曲がり、障害物を破壊し、ボスに痛烈な一撃を叩き込むアクションが、重厚なインダストリアル・テクノのビートと完全に同期して展開されます。

視覚と聴覚を刺激する演出は圧巻で、ネオンカラーと幾何学模様が渦巻くサイケデリックな空間を、光速に近いスピードで駆け抜ける没入感が提供されています。ミスが許されない緊張感の中で、タイミングよくアクションを決めた際に生じる金属的な衝撃音や振動が、プレイヤーの感覚を「リズムに乗る」というよりは「リズムと殴り合う」ようなトランス状態へと誘います。

PlayStation VRなどのVRデバイスにも対応しており、仮想現実空間でプレイすることでその迫力は何倍にも増幅されます。目の前に迫る光の奔流と圧倒的なスピード感に飲み込まれそうになりながら、反射神経の限界に挑むストイックで野性的なゲーム体験が味わえます。

本作は、かつて『Rock Band』などの音楽ゲーム開発に携わったMarc Flury氏とBrian Gibson氏が設立したスタジオDroolによる完全オリジナルのインディーゲームです。既存の音楽ゲームの概念を覆すべく、恐怖や衝突といった攻撃的な要素をリズムアクションに取り入れ、独特のビジュアルとサウンドで再構築されたタイトルとして展開されています。

THUMPER リズム・バイオレンスゲーム