『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIV』(THE KING OF FIGHTERS XIV)は、2016年8月25日にPlayStation 4向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、KOFシリーズ本編の第14作目にあたります。シリーズ初のフル3Dグラフィックスを採用しつつ、従来の2D格闘の操作感を維持した“2.5D格闘”として開発され、SNKブランド復活の象徴的タイトルとして注目を集めました。
本作は「アッシュ編」の完結後、新たに始まる物語の第1章として位置づけられており、新主人公「シュンエイ」を中心に据えた新章が展開されます。彼は謎の力を持つ少年で、最終ボス「バース」との因縁が示唆されるなど、今後の展開に大きく関わる存在として描かれています。ストーリーは従来のような明確な「○○編」という名称は与えられていませんが、シリーズの新たな幕開けとしての役割を担っています。
ゲームシステムは、シリーズ伝統の3on3チームバトルを継承しつつ、初心者でも楽しめるように「ラッシュコンボ」や「MAXモード」「EX必殺技」「CLIMAX超必殺技」などの新要素を導入。特に、弱攻撃ボタン連打で自動的に連続技が発動する「ラッシュ」は、格闘ゲーム初心者でも爽快なコンボを体験できるよう設計されています。また、ゲージを消費して一時的に強化状態になる「MAXモード」や、そこから派生する「クイックMAX発動」「スーパーキャンセル」「クライマックスキャンセル」など、上級者向けのテクニカルな要素も豊富に用意されています。
登場キャラクターは、初期状態で50名、DLCでさらに8名が追加され、最終的に全58名が使用可能となりました。新キャラクターの「シュンエイ」「ククリ」「ミアン」などに加え、『餓狼伝説』『龍虎の拳』『サムライスピリッツ』などのSNK作品からのゲストキャラや、パチスロ作品出身の「アリス」「ムイムイ」「ラブ・ハート」なども参戦。さらに、DLCでは「山崎竜二」「ブルー・マリー」「ロック・ハワード」などの人気キャラが追加され、シリーズファンにとっては嬉しいラインナップとなっています。
グラフィックは、シリーズ初の3Dポリゴンによるキャラクターモデルを採用し、背景も3D化。初期バージョンでは質感やライティングに課題がありましたが、アップデートによって改善され、より洗練されたビジュアルに仕上がっています。演出面では、CLIMAX超必殺技のカットインやカメラワークなど、3Dならではの迫力ある演出が多数盛り込まれています。
オンライン対戦では、1人1キャラを担当する「パーティバトル」や、観戦機能付きのロビーマッチなどが実装され、対戦環境も充実。さらに、2021年には全DLCキャラとコスチューム、PS4用テーマを収録した『ULTIMATE EDITION』が発売され、シリーズの決定版として再評価されました。
『KOF XIV』は、シリーズの伝統を守りつつも、新たな技術とシステムを取り入れた意欲作であり、SNKの再出発を象徴するタイトルとして、今なお多くのプレイヤーに親しまれています。
コメントを追加