『ラチェット&クランク THE GAME』は、2016年にソニー・インタラクティブエンタテインメントよりPlayStation 4向けに発売されたアクションゲームです。本作は2002年にPlayStation 2で発売されたシリーズ第1作『ラチェット&クランク』のリブート作品であり、同時期に北米で公開されたCG映画『ラチェット&クランク THE MOVIE』と連動した構成で展開されています。開発はインソムニアックゲームズが担当し、映画とゲームの両方に共通するキャラクターモデルや脚本が使用されています。

物語は、ロンバックス族の少年ラチェットが、銀河のヒーロー「キャプテン・クォーク」に憧れ、宇宙船修理工として働く中で、偶然出会ったロボット「クランク」と共に銀河の危機に立ち向かう構成です。敵は惑星破壊兵器「デ・プラネタイザー」を開発するビッグボス・ドレックと、その背後に潜むマッドサイエンティスト「ドクター・ネファリウス」であり、ラチェットとクランクはガラクチックレンジャーの一員として銀河を救う任務に挑みます。ストーリーは初代をベースにしつつ、映画版の要素を加えた再構成が施されています。

ゲームシステムは、シリーズ伝統のガラメカ（武器）による戦闘と探索を中心に構成されており、武器は使用することでレベルアップし、ラリタニウムによるアップグレードも可能です。新規武器として「ピクセライザー」や「グルーヴトロンHD」などが登場し、敵をピクセル化したり踊らせたりするユニークな効果が導入されています。また、ホバーボードレースやスターファイターによる宇宙戦など、多彩なミニゲームも収録されています。2周目以降はチャレンジモードが解禁され、武器のオメガ強化やスキルポイント収集などのやり込み要素が追加されます。

演出面では、PS4世代の高精細グラフィックによる映像表現が強化されており、ピクサー風のアニメーションと滑らかな動作が特徴です。一部ムービーは映画版の映像を流用しており、ゲーム内での再現度も高い構成となっています。2021年にはPS5向けに60fps対応のアップデートが実施され、2024年には「バウンダー」武器が全プレイヤーに解放される記念アップデートも行われました。累計販売本数は700万本を超え、シリーズ史上最も成功したタイトルとして記録されています。