『ウェイストランド 2 ディレクターズカット』は、2016年8月4日にスパイク・チュンソフトよりPlayStation 4版が発売され、後にNintendo Switch版も配信されたポストアポカリプスRPGであり、1988年の名作PCゲームの正統続編として制作されたタイトルの完全版です。プレイヤーは核戦争によって荒廃した世界で、法の番人である「デザートレンジャー」の新兵チームを率い、凶悪なレイダーや突然変異した怪物から人々を守る任務に就きます。
本作では、4人のレンジャー候補生を作成してチームを編成し、現地で雇用する仲間を含めた最大7人パーティでの探索が行われます。キャラクタービルドの自由度は極めて高く、戦闘能力だけでなく、爆発物の解除、外科手術、会話術といった多岐にわたるスキルを習得させることで、力押し以外の方法でもクエストを解決できる柔軟な進行が可能となっています。
戦闘パートは、遮蔽物や高低差を利用するターン制のタクティカルバトル形式で展開されます。ディレクターズカット版での追加要素として、敵の特定の部位を狙って命中率や移動力を下げる「プレシジョンストライク」や、キャラクターに固有の特性を付与する「クワーク(癖)」、新たな能力を獲得する「パーク」などが実装されており、より戦略的で個性豊かな部隊運用が楽しめます。
物語の中では、同時に発生した救援要請のどちらに応えるかといった、正解のない「選択」を迫られる場面が多々あります。プレイヤーの決断によって一つの集落が滅んだり、物語の結末が変化したりと、過酷な因果関係が冷徹に描写され、荒廃した世界における正義とは何かを問いかける重厚なロールプレイ体験が提供されています。
本作は、1988年に発売され『Fallout』シリーズの精神的前身とも呼ばれる伝説的なPCゲーム『Wasteland』の正統続編です。初代の開発者であるブライアン・ファーゴ氏がクラウドファンディングで資金を集めて制作し、古き良きCRPG(コンピュータRPG)の自由度やテキストの重厚さを現代の技術で継承・再構成したタイトルとして展開されています。












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