下町を舞台に、悪徳建設会社に立ち向かう大工の姿を描いた『大工の源さん』。本作は、横スクロールアクションゲームとしてアーケードに登場し、後にファミリーコンピュータにも移植され、多くのプレイヤーを魅了しました。

物語は、主人公である大工の源さん(田村源三)が、乱開発を進める黒木組によって家を壊されたことから始まります。源さんは、愛用の木槌を手に、黒木組の暴虐を止めるため立ち上がるのです。当時のバブル時代の開発ラッシュを反映したストーリーは、多くの共感を呼びました。

アーケード版の操作はシンプルながら奥深く、8方向レバーと2つのボタン(攻撃、ジャンプ)を駆使して源さんを操作します。レバーを上に入れっぱなしにすることで木槌を上に構え、真上からの攻撃を防ぐことが可能。同様に、レバーを下に入れると木槌を前方に置くようにして屈み、前方からの攻撃を防ぎます。また、ジャンプして着地寸前にレバーを下に入力し攻撃すると、強力な地震が発生し、地面にいる雑魚敵を一掃できます。一度クリアすると難易度が上がった2周目が始まるのも特徴です。

ファミリーコンピュータ版では、アーケード版からゲームシステムが変更され、ライフ制が導入されました。4つのライフと残機制が採用され、さらにミニゲームも追加されています。ボーナスステージで獲得したアイテムを持ち越せるようになり、戦略性が増しました。ライフが残り1の時にダメージを受けると、ヘルメットが自動的に発動し、ピンチを脱するチャンスが与えられます。アイテムもFC版独自のものが追加され、巨大木槌そのものがアイテムとして登場するほか、回復ドリンク「いっぷく君」、愛のおにぎり、先祖のお守り、スロータイマー「のろのろ君」などが冒険をサポートします。また、アーケード版ではニッカボッカの色が特徴的でしたが、FC版ではハチマキも青色に変更されています。全5ステージ構成で、2周クリア制ですが、アーケード版と同様に1周目でもエンディングを見ることが可能です。