『Fish Eyes 3D』は、2011年6月23日にマーベラスエンターテイメントよりニンテンドー3DS向けに発売された釣りシミュレーションゲームであり、1996年から続く『Fish Eyes』シリーズの15周年記念作品として制作された。開発はナツメが担当し、シリーズの伝統である“自然の美しさ”と“魚とのリアルな駆け引き”を3D立体視で再現することをコンセプトとしている。

本作では、淡水・海水を問わず40種類以上の魚が登場し、30gの小型魚から300kgを超える巨大魚まで幅広く収録されている。釣り場は15以上用意されており、寺院、遺跡、港町、高架橋など多彩なロケーションが舞台となる。プレイヤーは与えられた課題をクリアすることで新たな釣り場や釣具を解放していく構成で、ルアーや生餌など100種類以上の釣り具が登場する。

操作はタッチペンを用いた直感的なスタイルで、キャスティングからリール操作、合わせ、ファイトまでを一貫して行う。魚が水中から飛び出す演出や、釣り上げた瞬間の跳ねる動きなど、立体視による臨場感が強調されており、画面の“外”まで釣り上げるようなダイナミックな演出が特徴とされている。

また、釣った魚は淡水・海水それぞれの水槽に保存して鑑賞することができ、岩や水草、オブジェを配置して自分だけの水族館を作ることも可能である。魚の情報や釣果記録も確認でき、コレクション要素としても機能している。

一方で、難易度は比較的低めに設定されており、釣りゲーム初心者や子どもでも気軽に楽しめる設計となっている。リアル志向の釣りファンには物足りなさを感じさせる部分もあるが、3DSの立体視を活かした癒し系釣り体験として一定の評価を受けている。