1987年9月18日にテクモから発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『つっぱり大相撲』は、家庭用ゲーム機における大相撲ゲームの先駆けとして知られています。本作以前にも大相撲を題材としたゲームは存在しましたが、家庭用ゲーム機向けとしては初の試みでした。

特筆すべき点として、ファミコンのゲームで初めてプレイヤーキャラクターの名前に漢字を使用可能にしたことが挙げられます。これにより、より感情移入しやすい、リアリティのある力士を育成することができました。

ゲームモードは、一人で力士人生を体験する「相撲人生出世モード」と、二人で対戦できる「親方気分で対戦モード」の2種類が用意されています。「相撲人生出世モード」では、プレイヤーは前頭十三枚目からスタートし、地道に番付を上げて横綱を目指します。横綱昇進後、二場所連続で優勝を果たすとゲームクリアとなります。

取り組みでは、立合いから押し、寄り、叩き、突っ張り、投げ、吊りといった多彩な技を駆使して対戦相手を攻略します。相手の体力を削りつつ、自身の体力ゲージを溜めて技を繰り出す戦略性が求められます。また、特定のコマンドを入力することで、特殊な決まり手を出すことも可能です。

ゲームを中断する際には、成績表画面に表示される「りきしのこころえ」と呼ばれるパスワードを記録します。次回プレイ時にこのパスワードを入力することで、中断した時点からの再開が可能です。

登場力士はほとんどが架空の人物ですが、関脇以上の力士は当時の実在力士をモデルとしており、当時の大相撲ファンにとってはニヤリとさせられる要素も含まれています。