『銀星囲碁 ネクストジェネレーション』シリーズは、乱数シミュレーションによって最適解を導き出すモンテカルロ法をベースとした思考エンジンを搭載し、当時の家庭用ハードにおいて最高峰の棋力を実現した本格囲碁シミュレーション。2013年12月12日にシルバースタージャパンからPlayStation 3で『銀星囲碁2 ネクストジェネレーション』が発売され、2014年11月27日にはPlayStation Vita版が登場しました。

本作の核心となるのは、コンピュータ囲碁のアルゴリズムに革新をもたらした「モンテカルロ思考エンジン」です。これは終局までのシミュレーションを膨大な回数繰り返し、最も勝率の高い次の一手を割り出す手法であり、これまでのプログラムでは到達が困難だった「アマ有段」の棋力を家庭用ゲーム機で実現。PlayStation 3版では「アマ四段」、PlayStation Vita版では携帯機として当時前人未到の「アマ二段」相当の棋力を備えており、熟練の打ち手にとっても手応えのある本格的な対局環境が構築されています。

PlayStation 3版の『2』では、エンジンの最適化によって思考時間を前作の約半分に短縮することに成功し、快適なプレイテンポと緻密な読みを両立させています。一方のPlayStation Vita版は、高スペックな携帯機の特性を最大限に活かし、世界で初めて携帯ゲーム機にモンテカルロエンジンを搭載することに成功した記念碑的なタイトル。外出先であっても、場所を問わず有段者クラスの真剣勝負を楽しめる点が大きな魅力です。

ゲームモードには、通常の対局以外に「レーティング対局」と「チャレンジ対局」を収録しています。レーティング対局では勝敗に応じてポイントが増減し、自身の現在の実力を客観的に測定可能。チャレンジ対局は、あえて不利な局面から再開して逆転勝利を目指す上級者向けのモードであり、コンピュータの強さが最高レベルに固定された、極めて戦略性の高い内容となっています。

このほか、盤上の勢力圏をリアルタイムに可視化する「地合表示」や、コンピュータが推奨する一手を提示する「ヒント機能」、アタリの警告演出など、初心者から中級者の学習を支えるガイド機能も網羅。PlayStation 3版はPSPやPS Vitaを用いたリモートプレイにも対応しており、本体の強力な演算能力を活用した対局を携帯機でそのまま遊ぶことも可能となっています。

『銀星囲碁 ネクストジェネレーション』は、1990年代からPCおよび家庭用機で展開されてきた「銀星囲碁」シリーズの系譜に属するタイトルです。最新のアルゴリズムをいち早く家庭用ハードに最適化し、プロ棋士の思考に迫るデジタルな盤面を提供し続けています。

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