『Dishonored(ディスオナード)』は、2012年にArkane Studiosが開発し、ベセスダ・ソフトワークスより発売された一人称視点のステルスアクションゲームで、スチームパンクとオカルトが融合した架空都市「ダンウォール」を舞台に、復讐と政治的陰謀が交錯する濃密な物語が展開されます。プレイヤーは、女王暗殺の濡れ衣を着せられた王室護衛官コルヴォ・アッターノとなり、超常的な力とガジェットを駆使して真実を暴き、名誉を取り戻すための戦いに身を投じていきます。

ゲームは一人称視点で進行し、暗殺、潜入、戦闘、探索といった要素が高い自由度で組み合わされており、プレイヤーの選択によって物語や世界の状態が大きく変化します。たとえば、敵を殺さずに任務を遂行する“非致死ルート”も可能で、標的でさえも社会的に抹殺する手段が用意されているなど、倫理的な選択がプレイスタイルに深く影響します。超常能力としては、瞬間移動「ブリンク」や時間停止、動物への憑依などがあり、これらを組み合わせることで多彩な攻略が可能になります。

舞台となるダンウォールは、19世紀のロンドンやエディンバラを思わせる重厚な都市で、鯨油をエネルギー源とする独自のテクノロジーと、疫病によって荒廃した社会が共存する退廃的な世界観が描かれています。街にはトールボーイと呼ばれる機械仕掛けの兵士や、狂気に陥った感染者「ウィーパー」などが徘徊し、プレイヤーの行動に応じて街の治安や住民の態度も変化していきます。

本作はその後、DLCをすべて収録した『Game of the Year Edition』や、HDリマスター版『Definitive Edition』としても再発売され、続編『Dishonored 2』やスピンオフ『Death of the Outsider』へと物語が広がっていきました。シリーズ全体を通して、プレイヤーの選択と行動が物語と世界に影響を与える“イマシヴ・シム”の代表作として高く評価されています。