『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』は、2010年にアーケードで稼働を開始し、2011年12月1日にPlayStation 3およびXbox 360向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、KOFシリーズ本編の第13作目にあたります。前作『XII』で刷新されたHDドット絵を継承しつつ、ゲームシステムや演出、キャラクター数を大幅に強化した本作は、「アッシュ編」三部作の完結編として、シリーズの集大成とも言える内容に仕上がっています。
物語は、アッシュ・クリムゾンが「三種の神器」の力を奪い、オロチの力を狙う謎の存在「斎祀(サイキ)」との最終決戦に挑むという展開で、アッシュが斎祀の子孫であること、そしてその野望を阻止するために自らの存在を犠牲にするという衝撃的な結末が描かれます。シリーズを通して張られてきた伏線がここで回収され、アッシュ編は壮大な幕引きを迎えました。
ゲームシステムは、前作で導入された要素をすべて廃止し、従来の3on3ラウンド制に回帰。さらに、ドライブキャンセルやHDキャンセル、EX必殺技、NEO MAX超必殺技、MAXキャンセルといった新要素が導入され、コンボの自由度と戦術性が飛躍的に向上しました。これにより、初心者から上級者まで幅広く楽しめる奥深いバトルが実現されています。
登場キャラクターは、アーケード版で31名、家庭用版ではDLCを含めて36名以上が使用可能。『餓狼伝説』『龍虎の拳』『怒』『サイコソルジャー』などのSNK作品からの人気キャラに加え、「ビリー・カーン」「ネスツスタイル京」「Mr.カラテ」「炎を取り戻した庵」などが追加され、シリーズファンにはたまらないラインナップとなっています。
演出面では、HDドット絵による滑らかなアニメーション、ズーム演出、ステージの多彩なギミック、そして「新世界楽曲雑技団」によるBGMが高く評価されました。特にNEO MAX技の演出や勝利時のズームインなど、視覚的なインパクトが強化され、格闘ゲームとしての完成度を一段と高めています。
その後、家庭用版の内容をもとにバランス調整を施したアーケード版『KOF XIII CLIMAX』が2012年に稼働し、さらに2023年にはオンライン機能を強化した『KOF XIII GLOBAL MATCH』がPlayStation 4とNintendo Switch向けにリリースされました。ロールバックネットコードや観戦機能の追加により、現代の対戦環境にも対応した形で再評価されています。
コメントを追加