『アリス マッドネス リターンズ』、2011年7月21日にエレクトロニック・アーツから発売されたPlayStation 3およびXbox 360対応のホラーアクションアドベンチャーゲーム。ルイス・キャロルの児童文学を狂気的な解釈で再構築したPCゲーム『アリス イン ナイトメア』の正統続編であり、精神を病んだ少女アリスが、美しくもグロテスクに歪んだ精神世界「ワンダーランド」で血塗られた冒険を繰り広げるダークファンタジー作品となっています。
物語の舞台は、前作の惨劇から10年が経過したヴィクトリア朝時代のロンドンです。火災で家族を失ったトラウマに苛まれ続けるアリスは、荒廃した精神を癒やすために再びワンダーランドへと意識を沈めます。しかし、かつての楽園は暴走する「インフェルノ・トレイン」によって引き裂かれ、黒い油と異形の怪物に支配された悪夢の世界へと変貌していました。プレイヤーはアリスを操作し、自身の記憶の断片を集めながら、家族の死の真相と崩壊する精神世界の謎に迫ります。
ゲームプレイは、ジャンプや空中ダッシュを駆使して足場を渡り歩く3Dプラットフォーム・アクションを基本としています。戦闘では、愛用の包丁「ヴォーパルブレイド」で敵を切り刻み、「ホビーホース」で粉砕し、「ペッパーミル」で遠距離射撃を行うといった、玩具やキッチン用品を凶器に変えたユニークかつ残虐な攻撃アクションが展開されます。また、体を小さくして隠されたヒントや通路を発見する「シュリンク」能力や、視覚的なギミックを用いたパズル要素も随所に盛り込まれています。
著名なゲームクリエイター、アメリカン・マギー氏が率いるスタジオSpicy Horseが開発を担当しており、ゴシックで退廃的なアートスタイルと、残酷描写を含むシリアスな世界観が特徴です。現実の汚いロンドンと、狂気に満ちた鮮やかなワンダーランドの対比が、アリスの不安定な精神状態を視覚的に訴えかけてきます。
本作は、ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』および『鏡の国のアリス』を原作としつつ、後日談としてダークなアレンジを加えたゲームシリーズの第2作目です。2000年に発売された前作『アリス イン ナイトメア(American McGee’s Alice)』は、アリスが家族を火災で失い精神病院に収容されているという衝撃的な設定でカルト的な人気を博しました。本作のコンシューマー版には、その前作のHDリマスター版をダウンロードできるコードが同梱されています。
原作:不思議の国のアリス












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