『Dragon Age: Origins』は、戦乱の地を舞台に国家の存亡と自身の運命を切り拓いていく重厚なダークファンタジーRPGです。2011年1月27日にスパイクからPlayStation 3およびXbox 360で発売され、膨大なテキストの日本語ローカライズとともに、欧米で高い評価を得た「BioWare」の傑作が日本国内へ導入されました。
物語の舞台は、数百年に一度の災厄「ブライト」の脅威に晒されたフェレルデン王国です。プレイヤーは、魔物「ダークスポーン」に対抗できる唯一の存在である伝説の結社「グレイ・ウォーデン」の新参者となり、バラバラになった諸侯をまとめ上げ、世界を救うための旅に出ます。しかし、その道中には国家間の政治的陰謀や、種族間の根深い対立が渦巻いており、一筋縄ではいかない冒険が展開されます。
本作最大の特徴は、タイトルにも冠されている「オリジン・システム」にあります。プレイヤーが選んだ種族(人間、エルフ、ドワーフ)と出自(貴族、魔道士、平民など)によって、ゲーム序盤のストーリーや、世界の人々から向けられる視線、さらには特定のクエストの解決方法までもが劇的に変化します。このシステムにより、選んだキャラクターの背景に深く感情移入できるよう設計されています。
戦闘システムは、リアルタイムで進行しながらも、いつでも時間を止めて仲間に詳細な指示を出せるタクティカルな仕様です。「タクティクス」と呼ばれるAIカスタマイズ機能が充実しており、「体力が◯%以下の時に回復魔法を使う」といった条件を細かく設定することで、最大4人のパーティを効率的に運用できます。魔法の組み合わせによる相乗効果(スペル・コンボ)など、戦略的な試行錯誤が勝利の鍵を握ります。
旅の仲間たちとの交流も欠かせない要素です。キャンプ地での対話を通じて好感度を高めれば、彼らの過去を知る個人クエストが発生したり、深い恋愛関係に発展したりすることもあります。しかし、プレイヤーが下す非情な決断によっては、仲間が離反したり、最悪の場合は刃を交えることになるなど、徹底して「プレイヤーの選択」に責任を持たせる硬派なゲームデザインが貫かれています。
『Dragon Age: Origins』は、クラシックな名作『バルダーズ・ゲート』の精神的後継作として開発された、ファンタジーRPG『ドラゴンエイジ』シリーズの記念すべき第1作目です。緻密な世界構築と膨大な設定資料により、現代を代表するファンタジー作品の一つとして地位を確立しました。













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