『Fallout: New Vegas(フォールアウト:ニューベガス)』は、2010年にObsidian Entertainmentが開発し、ベセスダ・ソフトワークスより発売されたオープンワールドRPGで、『Fallout 3』のゲームエンジンとシステムをベースにしつつ、より深いロールプレイと分岐のある物語構造を導入したことで、シリーズの中でも特に高い評価を受けている作品です。
舞台は核戦争後のアメリカ西部、ネバダ州周辺の「モハビ・ウェイストランド」。核の直撃を免れた都市「ニューベガス」を中心に、プレイヤーは“運び屋”として、奪われた荷物と自らを撃った犯人を追う旅に出ます。物語はやがて、ニューベガスを巡る3大勢力――民主主義を掲げる「NCR」、軍国主義的な「リージョン」、そして謎の支配者「Mr.ハウス」――の抗争に巻き込まれていき、プレイヤーはどの勢力に加担するか、あるいは誰にも従わず自らの道を選ぶかという選択を迫られます。
ゲームシステムは『Fallout 3』を踏襲しつつも、コンパニオンのAIや指示系統の強化、武器改造、派閥ごとの友好度、そして空腹・脱水・睡眠といった要素を導入した「ハードコアモード」など、よりシミュレーション的な深みが加えられています。特にロールプレイの自由度はシリーズ随一で、スキルや選択肢によってクエストの進行が大きく変化し、エンディングも複数用意されています。
ただし、PS3版は当時の技術的制約からフリーズやバグが多く、セーブデータの肥大化による動作不良などが報告されていました。後に配信されたパッチや、すべてのDLCを収録した『Ultimate Edition』である程度の改善が図られています。
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