『50 Cent: Blood on the Sand(フィフティーセント:ブラッド・オン・ザ・サンド)』は、2009年にSwordfish Studiosが開発し、THQより発売されたサードパーソン・シューティング(TPS)ゲームで、実在のヒップホップアーティスト50 Cent(フィフティー・セント)と彼のユニットG-Unitを主人公に据えた異色のアクション作品です。前作『50 Cent: Bulletproof』の続編にあたり、今作では中東の戦場を舞台に、奪われた“ダイヤモンドが散りばめられた人間の頭蓋骨”を取り戻すという、荒唐無稽ながらも勢いに満ちたストーリーが展開されます。
物語は、50 CentとG-Unitが現地でのコンサートを終えた直後、報酬として約束されていた1000万ドルが支払われず、代わりに提示された宝石付きのスカルを受け取るところから始まります。しかしその直後、武装集団に襲撃されスカルを奪われてしまい、怒りに燃える50 Centたちは、ギャングやテロリストが跋扈する戦場を突き進み、スカル奪還のための戦いに身を投じていきます。ストーリーは突っ込みどころ満載ながら、50 Cent本人の吹き替えや、G-Unitメンバーとの掛け合い、そして全編に流れるギャングスタラップが独特のテンションを生み出しています。
ゲームプレイは、カバーアクションを取り入れたTPSスタイルで、ピストル、ショットガン、マシンガン、ロケットランチャーなど20種類以上の武器を駆使して戦います。敵を倒すことで得られるキャッシュを使って武器や近接攻撃「カウンターキル」、さらには“ディス”のバリエーションまで購入できるという、50 Centらしいユニークな要素も盛り込まれています。特に「ギャングスタ・ファイア」システムでは、ゲージを消費してスローモーション演出を発動でき、スタイリッシュな連続キルが可能です。さらに、ステージ内のポスター収集やミニチャレンジなど、スコアアタック的なやり込み要素も充実しています。
また、オンライン協力プレイにも対応しており、G-Unitメンバーの中から1人をパートナーとして選び、2人でミッションを攻略することができます。AIパートナーも比較的優秀で、シングルプレイでも快適に進行可能です。演出面では、爆発や破壊表現が派手で、乗り物ステージやボス戦なども用意されており、B級アクション映画的なノリを全力で楽しめる作品となっています。
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