『アガレスト戦記ZERO』は、2009年6月25日にコンパイルハートよりPlayStation 3向けに発売された世代交代型シミュレーションRPGで、前作『アガレスト戦記』の数千年前を描く前日譚にあたる作品です。開発はアイディアファクトリー、レッド・エンタテインメント、コンパイルハートの共同制作で、後にXbox 360やPC（Steam）、スマートフォンにも移植されました。

物語は、光と闇の神々の戦争によって分断された世界「アガレスト」を舞台に、若き軍人ジークハイトが、謎の少女ミーメルとの出会いをきっかけに、世界の命運を左右する戦いへと巻き込まれていく壮大な叙事詩です。彼はミーメルの命を救った代償として、彼女の魔力を受け継いでしまい、その力を返す方法を探す旅に出ることになります。

本作の特徴は、前作で好評だった「ソウルブリード」システムを継承しつつ、フィールリンクやフリーインテンションといった新要素を追加した点にあります。これにより、ヒロインとの好感度によってイベントや外見が変化し、より深いキャラクター描写と分岐が楽しめるようになりました。また、前作のセーブデータがあると、特典アイテムや「エクストラモード」が解放され、前作のダイジェストをプレイすることも可能です。

戦闘はマス目状のマップで展開されるターン制バトルで、連携技や位置取りを活かした戦略性の高い設計。さらに、2世代にわたる物語構成により、プレイヤーの選択が次世代の主人公や物語展開に影響を与える仕組みも健在です。