『バトルフィールド:バッドカンパニー』、2008年6月26日にエレクトロニック・アーツから発売されたXbox 360用ソフト、および同年8月28日に発売されたPlayStation 3対応のファーストパーソン・シューティングゲーム。「99%破壊可能」という衝撃的なコンセプトを掲げ、戦場のあらゆる建物を破壊しながら進む爽快感と、軍のはみ出し者たちが繰り広げるユーモラスなドラマを描いた、シリーズきっての異色作となっています。

物語の主役は、アメリカ陸軍第222大隊の「B中隊」、通称“バッドカンパニー”に配属された4人の兵士たちです。主人公プレストン・マーロウ、軍曹のレッドフォード、臆病なスウィートウォーター、そして爆発狂のハガード。彼らは使い捨ての駒として危険な任務に就いていましたが、敵の傭兵が「金塊」で報酬を受け取っていることを知り、軍の命令を無視して金塊強奪のための独断専行を開始します。シリアスな戦争描写が常識だったFPS界において、欲に目がくらんだ兵士たちのドタバタ劇を描くという、コメディ映画のようなノリが新鮮な驚きを与えました。

本作最大の特徴は、新開発のゲームエンジン「Frostbite」によって実現した環境破壊システムです。敵が建物に隠れれば壁ごと吹き飛ばし、森に潜めば木々をなぎ倒して視界を確保するといった、地形を変化させる戦術が可能となりました。また、マルチプレイでは金塊が入ったコンテナを巡って攻防を繰り広げる「ゴールドラッシュ」モードが搭載されており、破壊と略奪をテーマにした本作ならではの熱い対戦が楽しめます。

壁を壊して道を切り拓くカタルシスと、愛すべきボンクラ兵士たちの掛け合い。笑って暴れてスカッとする、エンターテインメント性抜群の戦場体験がここにあります。

本作は、2002年にPCで発売された『バトルフィールド1942』を原点とするFPSシリーズのスピンオフ作品です。本来はマルチプレイ特化のシリーズでしたが、本作ではシングルプレイのストーリー性とキャラクター性を重視し、家庭用ゲーム機向けに最適化された操作系やシステムを導入することで、新たなファン層を獲得しました。後に続編『バッドカンパニー2』も制作されています。

原作:バトルフィールド1942