『ターニングポイント:フォール・オブ・リバティ』は、第二次世界大戦でナチス・ドイツが勝利し、アメリカ本土が占領されたという架空の歴史を背景にした一人称視点シューティングです。2008年5月15日にスパイクからXbox 360で発売され、同年6月26日にはPlayStation 3でもリリースされました。
物語の分岐点は1931年、イギリスのウィンストン・チャーチルが交通事故で死亡したことに始まります。これにより欧州全土がナチスの手に落ち、圧倒的な軍事力を蓄えたドイツ軍が、1953年のアメリカへ突如として大規模な奇襲上陸を開始します。プレイヤーはニューヨークの建設作業員であるダン・カーソンとなり、軍人ではない一市民の視点から、日常が崩壊した市街地で占領軍に立ち向かうことになります。
ゲームプレイは、主人公が「訓練を受けていない一般人」であることを前提に構成されています。高度な軍事訓練を積んだヒーローではなく、現場にある道具や奪った武器を手に、生き残るために泥臭いゲリラ戦を展開します。特に敵の背後から接近して発動する「環境攻撃」は本作の大きな特徴であり、周囲の壁や手すり、消火栓などを利用して瞬時に敵を無力化するバイオレンスな近接アクションが楽しめます。
演出面では没入感を高めるため、画面上の情報表示(HUD)を極力排除する設計が採用されました。残弾数や体力などのデータが常駐しないことで、戦場の緊迫感や圧倒的な敵軍のプレッシャーをダイレクトにプレイヤーへ伝えます。高所での不安定な移動や、視界が遮られる中での銃撃戦など、建設作業員としての身体能力を活かした独自のシチュエーションが随所に用意されています。
舞台となる1950年代のニューヨークは、巨大なツェッペリン飛行船が空を埋め尽くし、街の象徴である高層ビルにハーケンクロイツの旗が掲げられるという異様な光景に変貌しています。自由の女神が崩れ落ち、平和な住宅街が凄惨な戦場と化す衝撃的なビジュアルの中で、市民レジスタンスとして歴史を塗り替えるための苛烈な反撃が描かれます。
『ザ・ダークネス』は、アメリカのTop Cow Productionsから出版された同名の人気コミックを原作としています。呪われた宿命を背負った殺し屋の苦悩とバイオレンスを描いた本作は、2012年には続編『ザ・ダークネスII』が発売されるなど、カルト的な人気を確立しました。













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