『魔導物語』(セガサターン版)は、1998年7月23日にコンパイルから発売されたRPGで、従来の3Dダンジョン形式を廃し、シリーズ初の2Dフィールド型RPGとして再構築された完全新作です。通称「SS魔導」と呼ばれ、ぷよぷよシリーズの世界観をベースにしつつ、勇者ラグナスと異次元生命体ヨグ・スォートスとの戦いを軸にした、ややシリアス寄りのストーリーが展開されます。

プレイヤーは主人公アルルを操作し、ルルーやシェゾ、ドラコケンタウロス、ウィッチなどおなじみのキャラクターたちと共に、瘴気に覆われた世界を救うための冒険に出発します。戦闘は3人パーティ制のターン制バトルで、各キャラにはフィールドアクションが設定されており、障害物の破壊や仕掛けの解除など探索にも個性が反映されます。SPゲージを溜めることで発動できる最強技や、属性相性を活かした戦術も導入されており、シンプルながらも戦略性のある設計です。

一方で、仲間の入れ替えが固定で自由編成ができない点や、テンポの悪い戦闘演出、周回プレイの難易度上昇に対して報酬が乏しい点など、ゲームデザイン面では賛否が分かれました。また、従来の「曖昧な体力表現」や「3Dダンジョン探索」といった魔導物語らしさが薄れたことも、シリーズファンの間で議論を呼びました。

それでも、豊富なキャラクターイベントや戦闘中の掛け合い、日記システムによるストーリーの振り返りなど、ファン向けの演出は充実しており、ぷよぷよファンやライトユーザーにとっては親しみやすい作品となっています。