『仮面ライダー 作戦ファイル1』は、1997年にセガサターン向けに発売されたデジタルメディア形式のソフトウェアです。本作は、初代『仮面ライダー』シリーズの全98話に登場する怪人やエピソードを網羅したデータベース機能と、仮面ライダー抹殺を目的としたシミュレーションモードを組み合わせた構成で設計されています。特に、ショッカーおよびゲルショッカー壊滅後に誕生した架空の新組織が登場し、独自の怪人を用いた作戦を展開するという設定が特徴です。

シミュレーションモードでは、プレイヤーが悪の組織の幹部候補生として、仮面ライダー1号を倒すための作戦を立案・実行する形式が採用されています。作戦は複数用意されており、例えば「強力怪人製造計画」や「本郷猛暗殺計画」など、各シナリオに応じた怪人が登場します。これらの作戦は、奇襲や分断などの戦術的要素を重視しており、単なる戦闘ではなく戦略的思考が求められる構造となっています。

また、映像データベース部分では、各話のストーリーや登場キャラクターの詳細が収録されており、ファンにとっては資料的価値の高い内容となっています。特に、怪人の設定や登場順、能力などが体系的に整理されており、シリーズの理解を深めるための補助資料としても機能します。これにより、単なるゲームソフトではなく、仮面ライダーのアーカイブ的役割も果たしています。

なお、後年にはWindows 95版やMac版も発売されましたが、セガサターン版ではシミュレーションモードの一部要素が簡略化されており、登場怪人の数や作戦内容に変更が加えられています。これにより、各プラットフォームごとに異なる体験が提供される設計となっており、ユーザーの環境に応じた選択が可能です。