『DESIRE』は、シーズウェアが開発し、1994年7月22日にPC-9801で発売された18禁アドベンチャーゲーム『DESIRE 背徳の螺旋』を起源とするサスペンステキストアドベンチャーゲームです。家庭用ゲーム機には、セガサターンとPlayStation 2で移植版がリリースされました。

本作の舞台は、太平洋に浮かぶ孤島に建設された総合科学研究所「DESIRE」です。新聞記者である主人公のアルバート・マクドガルは、取材のためにこの施設を訪れますが、そこで彼は不可解な殺人事件や爆破事件に巻き込まれていきます。物語はアルバート視点と、DESIREに勤務する研究員マコト・イズミ視点の二つのシナリオで進行し、後に明かされる第三者視点によって、それまで分からなかった謎や登場人物たちの隠された真実が明らかになるマルチサイトシステムを採用しています。

セガサターン版は、PC-9801版の持つサスペンス要素と人間ドラマを忠実に再現しつつ、キャラクターボイスとアニメーションが追加され、物語に深みを与えています。PlayStation 2版では、インターフェースの一新やイベントCGへの新たな効果追加、ウィンドウの視認性向上といった改善が施され、より快適なプレイ体験が実現されています。菅野裕之氏が手掛けたシナリオは、巧みに張り巡らされた伏線、複雑に絡み合う人間関係、そして驚愕の結末が特徴です。