『クリムゾン・エンパイア 〜Circumstance to serve a noble〜』は、元暗殺者のメイド長が王位継承権争いの裏で暗躍するファンタジー・恋愛アドベンチャー。2010年12月16日にQuinRoseからPlayStation 2で発売されました。
本作は、『ハートの国のアリス』シリーズなどで知られるゲームブランド「QuinRose(クインロゼ)」が放つ、一筋縄ではいかない恋愛ゲームです。主人公のシエラ=ロザンは、第二王子エドワルドに仕えるメイド長ですが、その正体は元奴隷であり、暗殺者としての訓練を受けた戦闘のエキスパートです。彼女の目的はただ一つ、主であるエドワルドを次期国王の座に就けること。そのためには、敵対する貴族を籠絡し、時には武力を行使し、汚い裏工作にも手を染めます。「守られるヒロイン」ではなく、物理的にも精神的にもタフな「戦うヒロイン」が、自らの手を汚しながら忠誠を貫く姿は、従来の乙女ゲームとは一線を画すハードボイルドな魅力を放っています。
ゲームシステムは、ターン制のスケジュール管理パートとアドベンチャーパートで構成されています。プレイヤーは、護衛、視察、訓練といったコマンドを選んで主人公の能力を上げつつ、攻略対象となる王子や貴族たちと交流を深めていきます。QuinRose作品特有の膨大なテキスト量は健在で、甘い恋愛シーンだけでなく、貴族社会の冷徹な政治劇や、各キャラクターが抱える暗い過去が詳細に描かれます。PS2版ではPC版からグラフィックが強化され、シナリオの大幅な加筆修正や新イベントの追加が行われており、鈴村健一氏や石田彰氏といった豪華声優陣による演技も相まって、よりドラマチックな没入感を提供しています。
本作を手掛けたQuinRoseは、童話やファンタジーをモチーフにしつつ、シニカルで現実的な視点を持った主人公や、癖の強い攻略キャラクターたちを描くことで熱狂的なファンを獲得したブランドです。本作『クリムゾン・エンパイア』もその系譜にあり、単なる「萌え」にとどまらない、人間の業や執着を描いたシナリオが高く評価されています。後にPSPやPS Vitaにも移植されており、同ブランドの代表作の一つとして数えられます。
『ハートの国のアリス』シリーズ
※QuinRoseの出世作にして最大ヒットシリーズ。本作と共通する「一癖ある世界観」と「強いヒロイン」の魅力を味わいたい方に最適です。













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