『風色サーフ』は、第一次世界大戦後のヨーロッパをモチーフにした架空戦記世界で、空を駆ける男たちとそれを支える女性整備士の絆を描いた恋愛アドベンチャーゲームです。2009年5月28日にラッセルからPlayStation 2用ソフトとして発売されました。多くの乙女ゲームが学園やファンタジーを舞台とする中で、本作は「ミリタリー」と「戦争」を真正面から扱った意欲作です。
物語の主人公は、天才的な整備技術を持つ父の代わりに、軍の独立航空小隊(通称:ロビュ小隊)へ入隊した少女・エリカ(名前変更可能)です。彼女が配属されたのは、敵国との国境に近い最前線の基地でした。プレイヤーは新米整備兵として、個性豊かなパイロットたちの機体を整備し、彼らを戦場へと送り出します。
本作の特徴は、主人公が「守られるだけのヒロイン」ではなく、命を預かる「整備士」である点です。ボロボロになって帰投した機体を修理し、明日の出撃に備える日々の中で、隊員たちとの信頼関係が育まれます。シナリオは非常に重厚で、戦争の残酷さや仲間の死といったシビアな現実から目を背けず、それでも空に憧れ続ける人々の生き様を丁寧に描いています。
「甘い恋愛」よりも「戦友としての絆」に重きを置いた硬派な内容は、多くのプレイヤーの涙を誘い、隠れた名作として高く評価されています。システム面では、文字の視認性の悪さやセーブの遅さなど、快適性に欠ける部分がありますが、それを補って余りある深い感動が待っています。小山力也氏や藤原啓治氏といったベテラン声優陣が脇を固めている点も、重厚な世界観を支える重要な要素です。
本作の象徴は、大空を飛ぶための翼「複葉機」です。現代のジェット機とは異なる、木と布と金属でできたクラシカルな飛行機は、ロマンの塊です。インテリアとして精巧な複葉機の模型を飾ることで、かつて空に命を懸けた飛行士たちの情熱と、風を切るプロペラの音を感じることができます。













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