『終末少女幻想アリスマチック 〜Apocalypse〜』は、異世界からの侵食によって崩壊の危機に瀕した世界を舞台にした、伝奇恋愛アドベンチャーゲームです。2008年5月29日にラッセルからPlayStation 2用ソフトとして発売されました。本作は、2006年にPCゲームブランド「キャラメルBOX」から発売された同名タイトルの移植版であり、人気イラストレーター・和泉つばす氏の描く愛らしいキャラクターと、ハードな世界観のギャップが特徴です。
物語の舞台は、東西を分断する巨大な壁が存在する架空の日本です。主人公の丸目蔵人(まるめ くろうど)は、異世界の怪物「ボージェ」に対抗できる能力者「アーキスト」でありながら、その力を隠して学園生活を送っていました。しかし、転校生の少女との出会いをきっかけに、彼は再び終わりの見えない戦いへと身を投じることになります。プレイヤーはテキストを読み進めながら、共に戦うヒロインたちとの絆を深め、世界の謎と自身の過去に対峙します。
ゲームシステムはオーソドックスなノベル形式ですが、シナリオは「日常の萌え」と「非日常の燃え」が入り混じる独特の構成です。特に戦闘シーンにおける魔法や剣戟の描写は躍動感があり、キャラメルBOX作品特有の「熱さ」を感じさせます。PS2版では、新ヒロインの追加やシナリオの大幅な加筆修正が行われ、PC版をプレイ済みのファンにも新鮮な驚きを与える内容となっています。
評価のポイントは、和泉つばす氏による繊細で可愛いキャラクターデザインと、哲学的な用語が飛び交うシリアスなストーリーの融合にあります。一方で、専門用語の多さや、独特のテキスト回し(いわゆる中二病的なカッコよさ)は人を選ぶ側面もありますが、一度ハマれば抜け出せない中毒性を持った作品です。
本作のタイトルやモチーフには「不思議の国のアリス」の要素が散りばめられています。現実と幻想が曖昧になる午後のひとときには、物語のアリスのように優雅なティータイムが似合います。物語の世界に浸りながら、美しいカップで紅茶を味わうことで、退屈な日常を少しだけファンタジックな時間に変えることができます。













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