『KOF MAXIMUM IMPACT REGULATION “A”』は、2007年7月26日にアーケード(Taito Type X2)およびPlayStation 2向けにリリースされた3D対戦格闘ゲームで、『KOF MAXIMUM IMPACT 2』をベースに再構成されたアーケード向けスピンオフ作品です。開発・発売はSNKプレイモアが担当し、シリーズ初のアーケード展開を果たした3D KOFとして注目を集めました。

本作は、前作『MAXIMUM IMPACT 2』のキャラクターやシステムを引き継ぎつつ、アーケード向けに最適化された内容となっており、1対1の個人戦形式を採用。従来の「スタイリッシュアート」や「さばき」などのシステムはそのままに、テンポの良い対戦とコンボの爽快感が特徴です。特に、アーケード版ではロード時間の短縮や演出の簡略化が図られ、対戦ツールとしての完成度が高められています。

登場キャラクターは、前作からの続投に加え、『KOF XI』から「アッシュ・クリムゾン」「エリザベート・ブラントルシュ」「オズワルド」が新たに参戦。さらに、アーケード版では未使用だった「ブルー・マリー」「ビリー・カーン」「ナガセ」などもPS2版で使用可能となり、総勢38名以上のキャラクターが登場します。各キャラにはアナザースタイルやコスチュームが用意されており、見た目のバリエーションも豊富です。

PS2版では、アーケードモードに加えて、トレーニングモードやギャラリーモード、ボイス再生機能など、家庭用ならではの要素が多数追加されています。また、アーケード版では未実装だったストーリーモードも収録されており、アルバ・メイラを中心とした物語が展開されます。演出面では、キャラクター同士の掛け合いや勝利演出が強化され、ファンサービスも充実しています。

一方で、オンライン対戦には対応しておらず、また『MAXIMUM IMPACT 2』に比べて演出やボリュームが抑えられている点については賛否が分かれました。それでも、アーケード向けに調整されたスピーディーなゲーム性と、シリーズの人気キャラが集結したラインナップは、3D KOFの中でも高い完成度を誇る一作として評価されています。