『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』は、降り止まない雨と廃墟と化した都市を舞台に、一人の男とロボットの少女が出会う奇跡を描いたSFデジタルノベル。2006年08月24日にプロトタイプからPlayStation 2で発売されました。その後、2009年02月28日にはPlayStation Portable版が、2019年01月31日にはNintendo Switch版が発売されています。原作は2004年にKeyが制作したPCゲームで、世界大戦後の荒廃した「封印都市」にあるプラネタリウムに取り残され、客を待ち続ける解説員ロボット「ほしのゆめみ」と、貴重物資を回収するために都市へ潜入した「屑屋」の交流を描いています。
ゲームプレイは、画面に表示されるテキストや映像、音楽に合わせて物語を読み進める「キネティックノベル」という形式を採用しています。一般的なアドベンチャーゲームのような選択肢による分岐やマルチエンディングは存在せず、一本道のシナリオを映画のように鑑賞するスタイルです。プレイヤーの介入要素を排することで物語への没入感を高めており、ゆめみの語る星空の解説や、二人の間に芽生える静かな絆の変化を、途切れることなく追体験することが可能です。
本作の特徴は、短編ながらも濃密で感動的なシナリオと、それを彩る美しい音楽や演出にあります。ロボットでありながら人間以上に純粋な心を持つゆめみと、過酷な世界で生きるために心を閉ざした屑屋の対比が鮮やかに描かれています。また、コンシューマー版ではPC版ではパートボイスだった主人公(屑屋)を含めたフルボイス化が施されており、小野大輔氏やすずきけいこ氏といった実力派声優陣の演技が、切なくも温かい物語にさらなる深みを与えています。
原作を制作したKeyは、『Kanon』や『AIR』などで「泣きゲー」ジャンルを確立したブランドです。本作はKey作品の中では異色のSF短編ですが、その感動的なストーリーは高く評価され、後にアニメ化や劇場映画化もされました。物語の鍵となる星座や神話に興味を持った方は、実際のプラネタリウムに足を運んだり、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』などを読んだりすることで、作品に込められた星空への想いをより深く感じることができます。













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