『鳥篭の向こうがわ』は、夢と現実の狭間にある世界を舞台にした「夢渡り恋愛アドベンチャーゲーム」です。2006年7月27日にTAKUYOからPlayStation 2用ソフトとして発売されました。『死神と少女』や『大正×対称アリス』を手掛けたシナリオライター・藤文(当時は藤元)氏が参加しており、その独特の繊細で少し哲学的なテキストの原点を感じさせる作品です。
物語の主人公・羽鳥裕行(名前変更可能)は、ある日突然、見知らぬ少年によって夢の世界「フェムト」へと召喚されます。そこは、何かを諦めた人々が安寧を求めて逃げ込む、閉ざされた鳥篭のような場所でした。プレイヤーは「解放者」として、この世界に囚われた住人たちと交流し、彼らが抱える心の傷やトラウマに触れながら、元の世界へ帰る方法を探します。
本作の最大の特徴は、アドベンチャーパートに組み込まれた「15パズル」のシステムです。移動マップ自体がパズルになっており、ピースをスライドさせて道を作ることで、特定のキャラクターのもとへ移動したり、物語の鍵となる石版「セクレト」を完成させたりします。パズルを解く過程がストーリー進行と直結しており、単なるミニゲーム以上の意味を持っています。恋愛シミュレーションとしての側面も持ちつつ、心の闇や救済を描いたシナリオは、男女問わず物語好きのプレイヤーを引き込む魅力を持っています。
本作の象徴的なアイテムである「鳥篭」は、安心できる場所であると同時に、自由を奪う束縛のメタファーでもあります。インテリアとして美しい鳥篭を飾ることで、部屋にアンティークな雰囲気を取り入れつつ、作中の「フェムト」のような幻想的な空間を演出できます。中に植物やライトを入れることで、閉じ込められた光を愛でる楽しみ方も可能です。













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