『絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-』、2006年3月30日にアイレムソフトウェアエンジニアリングから発売されたPlayStation 2対応のサバイバル・アクションアドベンチャーゲーム。水没しつつある巨大地下都市を舞台に、寒さと水という二重の脅威に抗いながら、5人の主人公たちの視点で脱出劇を描くザッピングシナリオ作品となっています。

物語の舞台は、華やかなクリスマスイブを迎えた地下都市「ジオシティ」です。突如発生した集中豪雨によって都市の機能が麻痺し、濁流が地下街を飲み込んでいく中、ウェイターの大学生、指名手配された女性、タクシー運転手、いじめられっ子の女子高生、そして記憶喪失の男という5人の主人公たちが、それぞれの目的と正義を胸に行動を開始します。彼らの運命は複雑に交錯し、ある主人公の行動が別の主人公のルートに影響を与える「ザッピングシステム」によって、多角的に事件の全貌が浮き彫りになっていきます。

本作独自のシステムとして、水に濡れることによる「体温(TP)」の低下と、暖を取る行動の重要性が挙げられます。冷たい水に浸かり続けると体温が奪われ、最終的には凍死してしまうため、ストーブやドライヤーを見つけて体を温めたり、乾いた服に着替えたりする必要があります。また、タオルや使い捨てカイロといった防災グッズの活用や、その場にあるもので暖を取るサバイバル術が、極限状態での生存率を左右します。

崩壊していく都市のスペクタクル描写に加え、極限状況下での人間のエゴや絆を描いたドラマチックなシナリオは健在です。前作以上に自由度の高い選択肢とマルチエンディングが用意されており、プレイヤーの決断が多くの登場人物たちの生死を分ける、緊張感あふれる体験を提供します。

本作は、2002年に発売された『絶体絶命都市』の正統続編です。前作は「地震」による孤島の崩壊をテーマにしていましたが、本作では「水害」と「寒さ」に焦点を当て、地下都市からの脱出を描いています。災害時のサバイバル知識をゲームに取り入れるというコンセプトを継承しつつ、複数主人公制や体調管理システムを導入し、より深くシビアな災害シミュレーションとして進化を遂げました。

絶体絶命都市