『カルタグラ〜魂ノ苦悩〜』は、昭和中期の東京を舞台に、猟奇的な連続殺人事件と複雑に絡み合う人間関係を描くミステリーアドベンチャーゲーム。2005年12月15日にKIDからPlayStation 2で発売されました。原作は、同年にPCゲームブランドInnocent Greyのデビュー作として発売された『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』です。戦後の傷跡が残る昭和26年の冬、上野。元警察官の私立探偵・高城秋五(たかしろ しゅうご)は、かつての上司である有島一磨から、行方不明となった娘「和菜」の捜索を依頼されます。時を同じくして上野界隈で発生していた「猟奇バラバラ殺人事件」。無関係に見えた二つの事象は、やがて「カルタグラ(魂の苦悩)」というキーワードの下で一つに繋がり、秋五を狂気の渦へと引き込んでいきます。
ゲームプレイは、移動先を選択して情報を集める「移動パート」と、入手した証拠や証言を元に推理を行う「探索パート」を繰り返して進行します。PS2版への移植にあたり、PC版に含まれていた性描写はカットされましたが、その代わりに大幅なシナリオ追加が行われています。原作では攻略できなかったサブキャラクターの「初音」や「高城七七」、ライバル的な存在である「蒼木冬史」に個別のエンディングが用意されたほか、物語の核心に迫る新ルートやイベントCGも多数追加され、サスペンスとしてのボリュームと深みが増しています。
本作の最大の特徴は、原画担当・杉菜水姫(すぎなみき)氏による美麗かつ妖艶なビジュアルと、容赦のない残酷描写が織りなす独特の世界観です。和服や洋装が混在する昭和レトロな美しさと、目を背けたくなるような猟奇殺人の対比が、プレイヤーに強烈なインパクトを与えます。後に続く『殻ノ少女』シリーズの原点となる作品であり、美少女ゲームの枠を超えた重厚なミステリーとして、多くのファンに支持されました。
開発元のInnocent Greyは、「美少女×ミステリー」というジャンルを確立したブランドです。本作はその記念すべき第一作目であり、ここから続く「高城秋五シリーズ(殻ノ少女シリーズ)」は、さらに洗練された捜査システムと衝撃的な展開で人気を博しています。本作の雰囲気に惹かれた方は、続編にあたる『殻ノ少女』や、横溝正史の『金田一耕助』シリーズなどの小説を読むことで、昭和ミステリー特有の陰鬱で耽美な空気をより深く楽しむことができます。













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