『Little Aid』は、海沿いの街にある高校を舞台に、複数の生徒たちの視点から不可解な事件と日常を紐解いていく学園ライフ・マルチ視点アドベンチャー。2005年1月28日にPC版が発売された後、同年6月30日にTAKUYOからPlayStation 2で発売され、2007年11月22日には追加シナリオを収録したPlayStation Portable版『Little Aid ポータブル』が登場しました。
物語の舞台は、歴史ある海沿いの街「南青瀬」に位置する天鳳高校。主人公となる複数の生徒たちの視点を切り替えながら、街で囁かれる奇妙な噂や、学校周辺で発生する不可解な事件の真相に迫ります。単なる恋愛アドベンチャーにとどまらず、日常の裏側に潜むミステリアスな要素や、キャラクターそれぞれの心の成長、友情、そして淡い恋心が丁寧に描かれています。
ゲームシステムは、カレンダー形式のスケジュール管理を軸としています。1日の行動を「授業」「放課後」などの時間帯に分けて選択し、マップ上を移動して様々なキャラクターと交流を深めます。本作最大の特徴は、複数の主人公の中から一人を選んでプレイするマルチ視点システムにあります。あるキャラクターの視点では見えなかった出来事も、別のキャラクターの視点から体験することで事件の全貌が明らかになる、パズルを埋めるような物語構成が魅力です。
世界観は、同社の恋愛アドベンチャー『étude prologue』の1年後を舞台にしており、前作のキャラクターが成長した姿で登場するなどの繋がりも用意されています。柔らかで透明感のあるビジュアルと、能登麻美子氏や鈴村健一氏をはじめとする実力派声優陣によるフルボイスの演技が、情緒豊かな「南青瀬」の空気感を構築しています。
移植版であるPSP版では、新規のサブシナリオやイベントCGが大幅に追加されました。さらに、クリア後の特典としてキャラクターの意外な一面が見られるショートストーリーも収録されています。場所を選ばずプレイできる携帯機の利便性を活かし、緻密に絡み合った複数のエピソードを余すところなく体験できる仕様となっています。
『Little Aid』は、多くのアドベンチャーゲームを制作してきたTAKUYOによるオリジナルの物語です。海沿いの街「南青瀬」を舞台とした一連のシリーズ作品の中核をなしており、後の『Panic Palette』へと続く世界観の広がりを持っています。












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