『ザ・キング・オブ・ファイターズ NEOWAVE』(THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE)は、2004年にアーケード(ATOMISWAVE基板)で稼働を開始し、2005年にPlayStation 2へ移植された2D対戦格闘ゲームです。KOFシリーズの外伝的な位置づけであり、ナンバリングを持たない“番外編”として制作されました。

本作は『KOF 2002』をベースにしつつ、ゲームシステムや演出を刷新。最大の特徴は、3種類のバトルスタイル(スーパーキャンセルモード/ガードブレイクモード/MAX2モード)から1つを選択して戦うという新システムです。これにより、プレイヤーの戦術やキャラの性能が大きく変化し、より多彩なバトルが楽しめるようになりました。

また、体力を犠牲にして攻撃力を上げる「ヒートモード」や、ゲージを消費して発動する「MAX2(超必殺技の上位技)」など、シリーズでも異色のシステムが多数導入されています。登場キャラクターは総勢46名で、『KOF 2002』には未登場だった草薙柴舟、ジョン・フーン、若ギース(ギース・ハワードの若い姿)などが新たに参戦。さらに、PS2版ではアンヘルやメイ・リーなどの追加キャラも使用可能です。

グラフィックはATOMISWAVE基板により背景が3D化され、演出面も強化されましたが、キャラクターのドット絵は従来の流用が多く、ややチグハグな印象を受ける部分もあります。また、イラストは中野友和氏が担当し、特に女性キャラの描写は高く評価されました。

一方で、ゲームバランスやカードシステム(AW-NET連動)に関しては賛否が分かれ、特定キャラの強さやカード読み込みの不具合などが問題視されました。それでも、シリーズの新たな試みとして、また『KOF 2002』のリファイン版として、一定の評価を得た作品です。