『舞-HiME 運命の系統樹』、2005年6月30日にマーベラスインタラクティブから発売されたPlayStation 2対応の運命の輪を切り開くアドベンチャーゲーム。サンライズ制作の人気アニメ『舞-HiME』を原作としつつ、ゲームオリジナルの主人公を据えて設定や物語を再構築した、もう一つの「HiME」たちの戦いを描くパラレルストーリー作品です。

物語の舞台は、アニメと同じ「風華学園」ですが、主人公は考古学を専攻する大学3年生・高村恭司となります。彼は教育実習生として学園に赴任し、そこで鴇羽舞衣や玖我なつきといった「HiME(Hi-Ethereal Material Excess)」の能力を持つ少女たちと出会います。プレイヤーは教師という立場で彼女たちと交流を深め、やがて学園の裏で進行する「一番大切なものを賭けた戦い(蝕)」の運命に巻き込まれていきます。

本作の最大の特徴は、アニメ版とは異なるキャラクター設定と、プレイヤーの選択によって分岐するマルチエンディングです。前半は学園生活を中心とした明るい恋愛アドベンチャーとして進行しますが、後半は「HiME」の宿命である過酷なバトルロイヤルや、世界の存亡に関わるシリアスな展開が待ち受けています。誰を愛し、誰を守るのか。その選択が少女たちの生死、そして世界の行方を左右します。

アニメの悲壮感と美しさを継承しつつ、ゲームならではの「救い」や新たな解釈を提示した本作。運命に翻弄される少女たちを支え、共に未来を切り拓く、切なくも熱いドラマを体験できます。

本作は、2004年から2005年にかけて放送されたテレビアニメ『舞-HiME』を原作としています。サンライズ初の萌えアニメとして企画されながらも、中盤以降の予測不能な鬱展開や、大切なものを賭けて戦う少女たちの過酷なドラマが高い評価を受けました。ゲーム版は、その世界観や設定(チャイルド、エレメントなど)を共有しつつ、歴史改変的なifストーリーを描いています。

原作:舞-HiME