『ドカポン・ザ・ワールド』は、RPGの成長要素とボードゲームの運、そして対人戦のドロドロとした駆け引きを融合させ、リアルな人間関係すら破壊しかねない危険な中毒性を持つ「友情破壊」ボードゲーム。2004年11月3日にアスミック・エース エンタテインメントからPlayStation 2で発売され、シリーズ初となる現実世界の世界地図をモチーフにした広大なマップで、金と力こそが正義の殺伐とした冒険が繰り広げられます。
本作の目的は、世界各地を巡ってモンスターを倒し、資産を増やしてNo.1の勇者となることです。しかし、このゲームの本質は協力ではなく「足の引っ張り合い」にあります。同じマスに止まったプレイヤー同士で戦闘を行い、勝者が敗者からお金や装備を奪ったり、屈辱的な名前に強制変更させたりといった非道な行いがシステムとして推奨されています。さらに、最下位のプレイヤーだけが変身できる「デビラーマン」になれば、圧倒的な力で他プレイヤーを蹂躙し、ゲームバランスを根底から覆すカオスな展開が待ち受けています。
キャラクターデザインには『ケロロ軍曹』の吉崎観音氏を起用し、ポップで親しみやすいビジュアルに一新されました。システム面では「職業」の概念が強化され、熟練度を上げて転職を繰り返すことでキャラクターを育成する楽しみが増しています。一方で、マップが広大になったことによるプレイ時間の長期化や、CPUの思考時間が長くテンポが悪い点、一部の魔法が強力すぎてハメ技が成立してしまうなど、ゲームバランスには大味な部分も目立ちます。しかし、それらの粗さも含めて笑い飛ばせるメンツで集まれば、徹夜必至の熱狂と悲鳴を生み出すパーティーゲームの怪作です。
『ドカポン』シリーズは、1993年にスーパーファミコンで発売された『決戦!ドカポン王国IV』を始祖とする長寿シリーズです。「RPG×すごろく」というジャンルを確立し、見た目の可愛らしさとは裏腹に、徹底して「勝てば官軍、負ければ賊軍」という資本主義の非情さを描いています。













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