『プリンセスメーカー2』は、1993年にPC-9801で登場した育成シミュレーションの名作であり、2004年にはPlayStation 2向けにリファイン移植版が発売されました。原画を担当した赤井孝美の監修のもと、グラフィックはフルカラー化され、娘のボイスや演出が強化されるなど、現代のプレイヤーにも親しみやすい仕様へと再構築されています。PS2版は、シリーズの原点を再評価する契機となり、後年のSteam版『リジェネレーション』にもつながる流れを生み出しました。

プレイヤーは、魔王を退けた勇者として、天界から授かった娘を育てる使命を担います。娘は10歳から18歳までの8年間を過ごし、月ごとのスケジュールを通じて教育、アルバイト、武者修行などを経験します。武者修行ではモンスターとの戦闘が発生し、勝利することで名声や資金を獲得できます。娘の性格や能力は、星座と血液型の組み合わせによって変化し、育成方針によって多彩なエンディングが用意されています。

毎年9月には収穫祭が開催され、料理大会や芸術祭などに参加することで賞金と知名度を得ることができます。娘の反応や行動には個性があり、時には冒険を嫌がって逃げ出すこともあるため、成長に応じた計画が求められます。バカンスでは専用グラフィックが表示され、娘の疲労を癒す演出として、育成の合間に彩りを添えます。エンディングは74種類以上存在し、将軍や魔法使い、平凡な主婦など、育て方次第で未来が大きく変化します。

PS2版は、UIの改善により育成中のパラメータ確認やスケジュール管理が快適に行えるよう調整されています。音声追加による演出強化と、原作の雰囲気を残しつつ現代風に再構築されたグラフィックが、育成シミュレーションの魅力を再認識させる一作となっています。