『GUNSLINGER GIRL Volume.III』は、2004年8月19日にPlayStation 2向けに発売された3Dガンアクション・アドベンチャーゲームであり、シリーズ3部作の完結編として登場しました。原作は相田裕による漫画『GUNSLINGER GIRL』で、本作にはTVアニメ第10話~第13話を収録したDVDが同梱され、物語の終幕を飾る構成となっています。ピアとアーネストの逃亡劇を軸に展開されたゲームオリジナルのストーリーは、ついにその謎が明かされ、少女たちの運命が交錯する緊迫の展開を迎えます。

プレイヤーはヘンリエッタを操作し、共和国派に逃亡したピアとアーネストを追う暗殺任務に挑みます。前作までに登場したリコやトリエラも物語に深く関わり、原作の重厚な世界観を補完する形で描かれます。銃器や衣装の種類はさらに増え、ミッションごとに異なる戦術が求められる構成となっており、前作のセーブデータを引き継ぐことでアイテムや武器の使用が可能になるなど、攻略の自由度も向上しています。

一方で、ゲームとしての完成度には依然として限界があり、ステージ数の少なさや演出面の粗さは改善されていない部分もあります。口パクの未実装や敵AIの単調さなど、技術的な制約が物語の没入感を損なう場面も見受けられます。それでも、少女たちの哀しみや葛藤を描いた物語性は揺るがず、特にピアの選択とヘンリエッタの心情描写は、シリーズの中でも印象的な場面として語り継がれています。

PS2の描画力を活かしたイタリアの街並みや光と影の演出は、シリーズを通して一貫した美しさを保っており、静謐な音楽とともに物語の余韻を深めます。3部作を通じて構築された世界観は、原作ファンにとってかけがえのない体験となり、ゲームとしての粗さを超えて、感情に訴える力を持った作品です。

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