『KOF MAXIMUM IMPACT』は、2004年8月12日にPlayStation 2向けに発売された、KOFシリーズ初の本格3D対戦格闘ゲームです。開発はノイズファクトリー、発売はSNKプレイモアが担当し、従来の2Dドット絵スタイルから一転、ポリゴンによるキャラクターモデルと3Dステージを採用したことで、シリーズに新たな風を吹き込みました。
本作は、従来の3on3チームバトル制ではなく、1対1の個人戦形式を採用。操作系は弱パンチ・弱キック・強パンチ・強キックの4ボタン制で、ジャンプや緊急回避、ふっとばし攻撃など、2Dシリーズの基本を踏襲しつつ、サイドステップによる軸移動や「スタイリッシュアート」と呼ばれる連続技システムなど、3D格闘ならではの要素が加えられています。スタイリッシュアートは、決められたボタン入力で連続技が発動する仕組みで、初心者でも爽快なコンボを楽しめる一方、上級者には独自の連携構築が求められる奥深いシステムとなっています。
登場キャラクターは、草薙京、八神庵、不知火舞、テリー・ボガードなどのシリーズおなじみの面々に加え、オリジナルキャラクターとしてアルバ・メイラ、ソワレ・メイラ、リアン・ネヴィル、ミニョン・ベアール、チェ・リムなどが初登場。特にアルバとソワレのメイラ兄弟は本作の主人公格として物語の中心を担い、従来のKOFとは異なる“外伝的”な世界観が展開されます。ストーリーは、サウスタウンを舞台にギャング組織「メフィストフェレス」が主催する格闘大会を巡る陰謀劇が描かれ、最終ボスとして登場するのは冷酷な支配者デュークです。
演出面では、各キャラクターにアナザーコスチュームが用意されており、見た目のバリエーションが豊富。中には別作品のキャラを彷彿とさせる衣装も存在し、ファンには嬉しい遊び心が散りばめられています。また、ボイスは英語音声が中心で、当時はその演技に賛否が分かれたものの、独特の雰囲気を醸し出していました。
一方で、ストーリーモードの演出やキャラクターの動き、バランス面には課題もあり、シリーズファンの間では評価が分かれる作品でもあります。それでも、KOFシリーズの新たな挑戦として、3D格闘の可能性を模索した意欲作であり、後の『MAXIMUM IMPACT 2』や『REGULATION “A”』へと続く礎となりました。
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