『michigan』は、テレビ局のカメラマンという特殊な視点から、街を覆う異常な濃霧と怪事件の真相を追う報道サスペンス・アドベンチャーです。2004年8月5日にスパイクからPlayStation 2用ソフトとして発売されました。
物語の舞台は、突如として正体不明の濃霧に包まれたシカゴです。プレイヤーはテレビ局「ZaKa TV」の新米カメラマンとなり、音声スタッフのブリスコや、現場でレポートを行う美人レポーターと共に、凄惨な事件が次々と発生する市街地へスクープを求めて潜入します。ゲーム画面は常にビデオカメラのファインダー越しの一人称視点で固定されており、プレイヤーの視線そのものがカメラワークとして機能します。
本作の核心となるのは、被写体に対してどのような態度で臨むかという「報道の倫理」です。カメラに映る人々が危機に陥った際、プレイヤーには「カメラを止めて救助を手助けする」か「残酷な決定的瞬間をスクープとして記録し続ける」かという選択が常に委ねられています。この行動基準によって「サスペンス」「エロティック」「インモラル」の3種類のポイントが蓄積され、最終的な物語の結末やプレイヤーの評価が変化していく仕組みとなっています。
ゲームの進行は、同行するレポーターの行動に大きく依存します。プレイヤーはカメラで特定の場所を指し示し、レポーターを誘導して調査や仕掛けの解除を指示します。道中では怪物との戦闘も発生しますが、カメラマンである主人公は直接戦う手段を持ちません。ファインダー越しに怪物をフォーカスすることでレポーターに銃撃の指示を出し、危機を脱する必要があります。
特筆すべきは、同行するレポーターが死亡してもゲームが即座に終了せず、物語がそのまま継続する点です。一人のレポーターが犠牲になれば、次のチャプターからは別のレポーターが補充され、最大で7名の候補者が登場します。誰が最後まで生き残り、どのようなスクープを収めたかによって、凄惨な物語の裏側に隠された真実の見え方が変わっていく重厚なマルチエンディングが採用されています。
『michigan』は、『シルバー事件』や『NO MORE HEROES』で知られる須田剛一氏が原案・プロデュースを務めた、完全オリジナルのアドベンチャーゲームです。独自のPOV(主観視点)演出や社会風刺の効いたシナリオは、後のホラー映画やインディーゲームにも通ずる先駆的な試みとして評価されています。













コメントを追加