『ドカポンDX ~わたる世界はオニだらけ~』は、2004年7月8日にアスミック・エース エンタテインメントから発売されたPlayStation 2用のすごろく型ボードゲームRPGで、2003年にゲームキューブで先行発売された同名タイトルの移植版にあたる。シリーズ初のフル3Dグラフィックを採用し、従来の「村の占領」システムを廃止して「発掘」と「Dグッズ」による資産獲得を中心とした新ルールを導入した意欲作である。
プレイヤーはサイコロを振ってマップを移動し、モンスターとの戦闘やイベントを通じて資産を増やしていく。特定のモンスターを倒すことで発掘マスが出現し、そこからドカポンエッグを掘り出すことでDパーツやDグッズが入手でき、それが資産価値に直結する。戦闘はジャンケン形式のコマンドバトルで、勝利すれば相手の装備や資産を奪うことも可能。巻きグソやデビラーマン、ワルサーといったシリーズ伝統の妨害要素も健在で、対人戦では強烈な駆け引きが展開される。ストーリーモードは章仕立てで進行し、各章のボスを倒して次の島へ進む形式で、最終的には宇宙の章や魔界の章といった特殊なステージも登場する。
全武器・防具を集めることでドカポンの剣DXや盾DXが入手可能となり、ストーリークリア後には隠しキャラ「ヴィント」も使用可能になる。従来の「村の奪い合い」から「発掘と資産管理」への転換はシリーズファンの間で賛否を呼んだが、3D化による演出強化や新ルールの導入など、シリーズの新たな方向性を模索した作品として一定の評価を受けている。
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