『GUNSLINGER GIRL Volume.II』は、2004年6月17日にPlayStation 2向けに発売されたガンアクション・アドベンチャーゲームであり、前作『Volume.I』の続編として登場しました。原作漫画およびTVアニメ『GUNSLINGER GIRL』を基盤に、ゲームオリジナルの物語が展開される本作は、アニメ第6話～第9話を収録したDVDとの同梱商品として発売され、メディアミックスの先駆的な試みとして注目を集めました。

物語は、義体化された少女ピアとその担当官アーネストが社会福祉公社から逃亡し、共和国派に亡命するという衝撃的な展開から始まります。プレイヤーはヘンリエッタを操作し、逃亡者を追う暗殺任務に挑むことになります。ステージクリア型の構成は前作と同様ですが、ロックオン機能や銃器の種類が改良され、戦闘のテンポが向上しています。撃たれた際のボイス追加やローリング時の効果音など、細かな演出も強化され、より臨場感のある戦闘が楽しめます。

一方で、ゲームとしての完成度には依然として課題が残ります。プレイ時間は短く、トレーニングモードを含めても3面程度しかなく、銃器の収集やスコアアタック以外のやり込み要素は乏しいとされています。また、キャラクターのグラフィックは粗く、会話中に口が動かないなど、演出面での不満も見受けられます。それでも、原作の雰囲気を再現した静謐な世界観や、少女たちの哀しみを描く物語性は、ファンにとって大きな魅力となっています。

PS2の描画力を活かしたイタリアの街並みや光と影の演出は、物語の余韻を深める要素として機能しています。前作のセーブデータを引き継ぐことで銃器の強化が可能となり、シリーズとしての連続性も確保されています。ゲーム単体としては物足りなさが残るものの、アニメと連動した構成により、原作の世界を多角的に体験できる作品です。

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