『スーパーロボット大戦MX』は、2004年5月27日にPlayStation 2用ソフトとしてバンプレストより発売されたシミュレーションRPGであり、スパロボシリーズの中でも比較的“初心者にやさしい設計”を特徴とした作品です。本作は、従来作品で培われたシステムと演出面をさらに強化しつつ、独自のクロスオーバーストーリーと豪華な戦闘アニメーションによって、多くのファンから高い評価を得ました。2005年にはPlayStation Portable用に移植された『スーパーロボット大戦MX ポータブル』も発売され、シリーズ初のPSP対応作品として新たなプレイヤー層の獲得にも寄与しました。

物語は、主人公ヒューゴ・メディオ(またはアクア・ケントルム)を中心に、「アクアエリア統合政府」と謎の敵勢力による戦いを軸に展開されます。選択した主人公によって視点や展開が変化するマルチアプローチ構成が採用されており、それぞれ異なる背景や人間関係を通して異なる世界の断面が描かれます。シリーズおなじみの原作再現要素も充実しており、『エヴァンゲリオン』『ラーゼフォン』『ナデシコ』『ゼオライマー』など、精神的なテーマを扱う作品群との融合によって、重厚で独自性のある物語が構築されています。

ゲームシステムは、基本となる2Dマップシミュレーションを踏襲しながらも、「支援攻撃・防御」「お気に入り作品選択による強化」「ダブルアタック」などの要素が導入され、プレイヤーの編成・戦略に幅を持たせています。また、全戦闘アニメーションは新規描き下ろしで構成され、キャラクターのカットインやBGMの演出も含め、爽快かつ迫力ある戦闘演出が魅力となっています。難易度も控えめで、資金獲得や育成効率が良く、システムの親切さも相まって、シリーズ初心者にとっての導入編として高く評価されました。

さらに、PSP版では一部演出の最適化やロード時間の短縮が施され、携帯機でありながら据え置き機並の演出が楽しめる点も魅力となっています。